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公務員を辞めたいけど転職先がわからない人へ

公務員を辞めたいけれど、次に何をすればいいか分からない。この状態で職種一覧を眺めても、たいてい決まりません。順番が逆だからです。先にやることは「辞めたい」の中身を分解して、転職で解決するものと、しないものを分けることです。この記事は、転職をすすめるためではなく、判断を整理するために書いています。

目次

公務員を辞めたいけど、次が決まっていません。どうすればいいですか?

まず、辞めるか辞めないかを決めるのを後回しにしてください。いま決められないのは意志が弱いからではなく、判断に必要な材料が揃っていないからです。

やることは2つです。ひとつは「何が嫌なのか」を具体的な言葉に分けること。もうひとつは、それぞれについて転職で解決するのか、異動や働き方の変更で解決するのか、どこへ行っても解決しないのかを仕分けることです。この2つが済むと、選択肢が3つか4つに絞れます。

「辞めたい」を3つに分ける

「辞めたい」という言葉の中には、たいてい性質の違う不満が混ざっています。まず次の3つに分けてみてください。

1. 仕事の内容そのもの

やっていることに意味を感じない、成果が見えない、興味が持てない。前例踏襲ばかりで自分で決められない、といった不満です。「何をしているとき、いちばん嫌だったか」を具体的な場面で書き出すと輪郭が出ます。

2. 人間関係と組織のあり方

特定の上司や同僚との関係、年功序列、意思決定の遅さ、根回しの多さなど。ここは「特定の人の問題」なのか「組織の構造の問題」なのかを分けることが重要です。前者なら異動で変わる可能性があります。

3. 将来への不安

このまま定年まで同じことを続けるのか、市場価値がなくなるのではないか、給料が上がらない。いま困っていることではなく、先を想像して感じている不安です。前の2つとは扱い方が変わります。

3つのうちどれが自分にとって大きいかで、次に取る手が変わります。1が大きいなら職種の選び直し、2が大きいなら異動も選択肢、3が大きいなら情報収集を先にする、という順路です。

転職で解決しやすいこと・しにくいこと

ここは正直に書きます。転職ですべてが変わるわけではありません。

不満の内容転職での解決しやすさ
仕事の内容が合わない解決しやすい。職種を変えれば中身は変わる
意思決定が遅い・根回しが多い解決しやすい。企業規模と成長段階で大きく変わる
年功序列で評価されない解決しやすい。ただし成果で測られる環境になる
特定の上司と合わない解決する。ただし次の職場にも合わない人はいる
残業が多い・持ち帰りが多い企業による。転職先の実態を確認しないと変わらない
年収を上げたい職種による。事務系は横ばい、専門職・技術職は上がりやすい
人間関係で消耗する解決しにくい。組織である以上どこにでも起きる
働くこと自体がつらい解決しにくい。休養や別の対処が先になることがある

下の2つが理由の中心になっている場合、転職しても同じ状態が続く可能性があります。まず休むこと、あるいは働き方そのものを見直すことのほうが先かもしれません。転職は手段のひとつであって、唯一の出口ではありません。

実際に転職した人は後悔していますか?

気になるところだと思います。姉妹サイト公務員転職データベースの「公務員転職の後悔」には、転職した人の満足度が集計されています。

その集計では平均満足度は5段階で3.82、満足度4以上が121件(72%)、3以下が47件(28%)でした。もっとも低い評価である1は0件です。一方で年収が下がった事例は44件(26%)あり、下がった人の平均は65万円のマイナスでした。

読み取れるのは、多くの人は転職してよかったと答えているが、4人に1人以上は年収が下がっているということです。そして後悔している事例に共通していたのは「次を十分に調べないまま決めた」ことでした。

つまり、後悔を分けているのは転職したかどうかではなく、調べてから決めたかどうかです。いま次が決まっていないこと自体は、悪い状態ではありません。調べる時間があるということです。

次の仕事を考えるときの入口

「何が向いているか分からない」まま求人を見ても疲れるだけです。順番としては、次の3つを先に押さえると探しやすくなります。

  • 働く環境の相性 人と話す量、成果の測られ方、ルールの整い方。職種名より先にここを決める
  • 自分の業務の言い換え 担当してきた業務が民間で何と呼ばれるかを知る
  • 譲れない条件 年収、勤務地、時間。何を優先し、何を諦めるかを決めておく

1つ目については公務員から転職するなら?向いてる仕事の選び方で3つの軸に整理しています。2つ目は公務員経験を活かせる仕事は?部署別にみる民間での使いどころで、担当部署ごとに対応する仕事を一覧にしています。

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「辞めない」という選択肢も並べておく

仕分けをした結果、転職以外の手で解決するものが残ることがあります。公務員には、民間にはない選択肢もあります。並べておきます。

異動希望を出す

不満の中心が「特定の人」か「いまの担当業務」なら、異動で変わる可能性があります。市役所なら数年で分野の違う部署へ移ります。転職より確実性は低いものの、失うものがありません。希望が通らなかったときに転職を考えても遅くはありません。

休職・病気休暇で立て直す

体調や気力が落ちている場合、まず回復させることが先になります。公務員には病気休暇や休職の制度があり、民間の一般的な水準より手厚い場合が多くあります。この制度は、辞めた瞬間に使えなくなります。

在職のまま情報だけ集める

求人を見る、事例を読む、話を聞く。ここまでは辞めなくてもできます。調べた結果、いまの職場のほうが条件が良いと分かることもあります。それも結論のひとつで、無駄にはなりません。

なお、公務員は法律で副業が制限されています。「副業で試してから決める」という進め方は取りにくいので、その前提で考えてください。

注意点|勢いで辞める前に確認したいこと

在職中に動くほうが選択肢は広い

収入が続いている状態なら、条件が合わない求人を断れます。辞めてから探すと、時間の経過とともに焦りが出て、判断が甘くなりがちです。後悔事例の共通点だった「次を十分に調べないまま決めた」状態に、もっとも陥りやすいのが無職期間中です。

手当込みの年収を把握しておく

公務員の給与は、基本給のほかに住居手当、扶養手当、地域手当などが乗っています。基本給だけで比べると、実際より高く見積もってしまいます。源泉徴収票の支払金額を確認して、総額を把握しておいてください。

戻るのは簡単ではない

経験者採用の枠はありますが、自治体ごとに年齢制限や実施時期の制約があります。「合わなければ戻ればいい」という前提では動かないほうが安全です。

体調が理由なら、まず休むことを検討する

眠れない、食欲がない、朝に体が動かないといった状態が続いているなら、転職活動より先に休養が必要な場合があります。公務員には病気休暇や休職の制度があります。消耗しきった状態での判断は、あとから見ると納得できないことが多いものです。転職はいつでもできます。

よくある質問

公務員を辞めたいけど転職先が分かりません。何から始めればいいですか?

求人を見るより先に、「辞めたい」の中身を仕事内容・人間関係・将来への不安の3つに分けてください。そのうえで、転職で解決するものとしないものを仕分けます。次の仕事を決めるのは、その後で構いません。

公務員は転職しないほうがいいと言われますが本当ですか?

一律にそうとは言えません。姉妹サイトの集計では満足度4以上が72%を占める一方、年収が下がった事例も26%あります。「転職すべきか」ではなく「自分の不満は転職で解決するのか」で考えるほうが、判断を誤りません。

辞めてから探すのと、在職中に探すのはどちらがいいですか?

選択肢の広さでは在職中が有利です。収入が続いていれば、条件の合わない求人を断れます。ただし体調を崩している場合は例外で、休むことを優先したほうがよい場合があります。

やりたいことが特にありません。それでも転職できますか?

できます。「やりたいこと」から探すと止まりますが、「合う環境」から探すと進みます。人と話す量、成果の測られ方、ルールの整い方。この3つの相性が合っていれば、職種が変わっても続けられます。

何年か様子を見てからでも遅くないですか?

職種を変える転職ほど、早いほうが有利になります。ただし焦って決めるより、調べてから決めるほうが結果は良くなります。「動くかどうか」を保留したまま、調べることだけ先に進めるのが現実的です。調べた結果、辞めないという結論になっても構いません。

まとめ

次が決まっていない段階でやることは、求人探しではありません。順番は3つです。

  1. 「辞めたい」を仕事内容・人間関係・将来への不安の3つに分ける
  2. それぞれが転職で解決するのか、異動で解決するのか、どこでも解決しないのかを仕分ける
  3. 転職で解決するものが残ったら、働く環境の相性から探しはじめる

調べた結果として辞めないという結論になるなら、それも十分に意味のある結論です。後悔を分けているのは、転職したかどうかではなく、調べてから決めたかどうかでした。

勤務形態そのものが理由の場合、公安職では事情が少し変わります。警察官から転職するなら?実際の転職先と年収の現実を、30代で動くかどうか迷っている場合は30代の公務員が民間へ転職するには?前半と後半で変わる現実をあわせて確認してください。

辞めたい理由が「スキルが身につかない」ことなら、公務員はスキルが身につかない?305件で見た実際に評価されたものに実際の評価のされ方をまとめています。

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この記事を書いた人

京都大学卒業後、商社勤務、公務員を経て、転職エージェントとして14年間キャリア支援に従事。これまでに累計8,000名以上のキャリア相談を経験。
現在は独立し、SNSを中心に「公務員の転職・キャリア」に関する情報を発信。SNS総フォロワーは1万人を超える。

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