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40代の公務員が転職するには?66件のデータで見た年収の現実

40代の公務員が転職すると、どうなるのか。姉妹サイトの公務員転職データベースに集まっている40歳以上の事例66件を集計すると、年収が上がったのは13件、下がったのが46件でした。平均すると約30万円のマイナスです。ただし上がった13件には、はっきりした共通点があります。この記事では、40代で結果が分かれる境目を実データで整理します。

目次

40代の公務員は転職できますか?

できています。公務員転職データベースの事例305件のうち、40歳以上での転職は66件ありました。全体の2割強です。年齢だけで不可能になるわけではありません。

ただし条件面は明確に厳しくなります。

年齢件数上/下/同年収の平均変化転職前の平均年収満足度
30〜34歳(参考)74件52/11/11+67万円540万円4.01
35〜39歳(参考)51件27/22/2+38万円606万円3.80
40〜44歳38件8/23/7-14万円678万円3.58
45歳以上28件5/23/0-52万円763万円3.21

40歳を境に、平均が初めてマイナスに転じます。45歳以上では28件中23件で年収が下がり、上がったのは5件だけでした。満足度も年齢が上がるほど下がっています。

下がる理由は能力ではなく「起点の高さ」

理由は表の右から2列目に出ています。40〜44歳の転職前平均は678万円、45歳以上は763万円です。公務員の給与は年功で積み上がるため、40代後半になると民間の同職種より高い水準に達しています。

つまり下がっているのは、評価が低いからではありません。比較の起点がすでに高いところにあるからです。この構造を先に理解しているかどうかで、転職後の納得感がまったく変わります。事例でも、下がることを織り込んでいた人ほど満足度が高くなっていました。

40代で年収が上がった人は何が違いましたか?

上がった13件を見ると、大半が技術系の専門職でした。土木・建築・情報の3区分が目立ちます。共通しているのは次の3点です。

  • 同じ専門を10年以上続けている。異動で分野が変わっていない
  • 担当した事業の規模と種類を数字で説明できる。年齢より判断材料になっています
  • その経験を必要とする業界を1つに絞っている。幅広く探していません

逆に、年収が大きく下がった事例に多いのは「職種にこだわらず、条件だけで探した」ケースです。夜勤がない、転勤がない、といった条件を優先すると、それまでの専門が使えない枠に応募することになります。

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40代公務員の実際の転職事例

上がった例と下がった例の両方を挙げます。いずれも姉妹サイトに掲載されている記録です。

41歳・県庁の土木職から建設コンサルタントへ(660万円→840万円)

河川砂防課で治水計画と災害復旧事業の設計監理を18年担当。「管理職が近づき現場から遠ざかることが見えていました。40代のうちなら技術者として動ける」。応募20社で書類通過は4社ですが、そのうち3社から内定。活動期間は2ヶ月でした。

読み取れること:本人の言葉が要点です。「書類は落ちる前提で数を出しましたが、通れば決まるという手応えがあり、40代でも技術職の需要は落ちません」。そして「年収が180万円上がりました。40代の転職で年収が上がるとは思っておらず、驚いています」。(事例の詳細)

41歳・市役所の情報職からSIerのインフラエンジニアへ(620万円→740万円)

情報システム課で庁内ネットワークとサーバーの運用を18年担当。応募27社、書類通過6社、内定3社。「年齢についてはほとんど聞かれず」、確認されたのは障害対応の経験とどこまで自分で判断してきたかでした。評価されたのは「18年間システムを止めずに運用してきた実績」です。

読み取れること:転職先は完全リモートで、住む場所を変えずに首都圏の案件を担当しています。本人はこう総括しています。「年収が120万円上がり、引っ越しもせずに済みました。40代だから無理だという思い込みが一番の壁でした」。(事例の詳細)

45歳・自衛官から運輸会社の総務へ(758万円→600万円)

陸上自衛隊で車両整備と補給の部門に24年在籍。「定年が近い職種なので、遅かれ早かれ次を探す必要がありました。援護の紹介を待つのではなく、45歳のうちに自分で選んだ先へ行きたい」。応募24社、活動期間は8ヶ月。年収は158万円下がりました。

読み取れること:窓口の使い分けが効いています。「援護で来る求人は警備と運転職に偏りがちです。特化型では整備と補給の管理経験を『工程と在庫の管理』として書き直してもらい、事務系の枠にも通るようになりました」。総括は「55歳前後で否応なく職を探すより、45歳で自分で選べたことに意味があった」。(事例の詳細)

50歳・独立行政法人の課長から業界団体の渉外担当へ(724万円→580万円)

研究開発型の補助金を27年担当し、直近は課長として審査と交付の実務を統括。「補助金の実務を分かる人が求められているうちに外へ出よう」。応募20社、活動9ヶ月、内定は1社だけ。年収は144万円下がりました。「課長職の管理職手当がなくなり、賞与の水準も団体のほうが低いです。退職金の計算も一度そこで区切られます」。

読み取れること:「50歳を超えると総合型からの紹介はほぼ止まります」。そして本人のアドバイスは明確です。「50歳での転職は、年収が2割下がることを前提にしてください。それでも早く動いたほうが、定年後に条件を選べます」。(事例の詳細)

40代からの転職が向いているのはどんな人ですか?

  • 同じ専門を10年以上続けてきた技術職。土木・建築・情報は40代でも需要があります
  • 特定業界の許認可や監督をしてきた人。その業界の事業者側で経験がそのまま使えます
  • 管理職としての実務と専門性の両方を説明できる人
  • 収入が下がる前提で判断できる人。40代以上では下がるほうが多数派です
  • 定年後の働き方まで含めて考えている人。60歳以降の見通しを理由に動いた事例が複数あります

注意点|40代で転職する前に知っておくこと

活動期間は長くなる

30代の事例が3ヶ月前後で決まっているのに対し、40代後半以降の事例では6〜9ヶ月かかっている記録が目立ちます。内定も1社だけというケースが増えます。在職中に始める前提で、期間に余裕を持って計画したほうが安全です。

総合型のエージェントからは紹介が減る

「40代後半は総合型からの紹介がほぼありません」「50歳を超えると総合型からの紹介はほぼ止まります」。別々の事例に同じ記述が出てきます。年齢が上がるほど、幅広く探すより特定業界に強い窓口へ絞るほうが機能しているという傾向が読み取れます。

手当と退職金まで含めて試算する

管理職手当、地域手当、賞与の水準、そして退職金の計算がそこで一度区切られること。事例ではこれらを含めた落ち込みが想定を超えたという記録が複数ありました。住宅ローンや教育費の計画がある場合は、活動を始める前に試算しておく必要があります。

よくある質問

40代の公務員でも転職先はありますか?

あります。事例では40歳以上の転職が66件記録されています。ただし年収は下がるほうが多数派で、66件中46件が減収でした。上がった13件は技術系の専門職が中心です。「あるか」より「いくらまでなら受け入れられるか」を先に決めるほうが、判断しやすくなります。

40代公務員の転職で年収を維持することはできますか?

技術職では上がっている事例が複数あります。41歳・43歳・46歳の土木/建築職が、いずれも年収を上げて建設コンサルタントや施工管理へ移っていました。条件は「同じ専門を長く続けていること」と「その専門を必要とする業界に絞ること」です。行政職で職種を変える場合は、維持は難しくなります。

45歳・50歳からでも遅くないですか?

事例には45歳以上が28件、50歳の記録もあります。ただし28件中23件で年収が下がり、活動期間も長くなっています。事例の当事者が共通して言っているのは「早く動いたほうが選べる」ということです。50歳で転職した方は「定年後に嘱託として働くよりは条件が良く、65歳まで見通しが立った」と評価しています。

40代で未経験の職種に移れますか?

40歳以上の66件のうち42件が未経験職種への転職でした。移れてはいます。ただし未経験の枠は年収が下がりやすく、40代ではその影響が大きく出ます。条件を落としたくない場合は、これまでの分野と関係のある業界を選ぶのが現実的です。

自分の経験が40代でも通じるか分かりません

担当分野が特殊であるほど、自分では需要の広さが見えなくなります。まず適性の方向をつかんでから業界を調べるほうが早く進みます。所属別の実際の行き先は公務員の転職先はどう選ぶ?305件のデータで見る現実と選び方に、経験の言い換え方は公務員はスキルが身につかない?305件で見た実際に評価されたものにまとめています。

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この記事を書いた人

京都大学卒業後、商社勤務、公務員を経て、転職エージェントとして14年間キャリア支援に従事。これまでに累計8,000名以上のキャリア相談を経験。
現在は独立し、SNSを中心に「公務員の転職・キャリア」に関する情報を発信。SNS総フォロワーは1万人を超える。

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